アイロンビーズ立体講座13-コアパーツを使用して強度と自由度を上げる

コアパーツを使用して強度と自由度を上げる

今回は単純な箱立体、球立体の概念だけで制作できる図形の変形や組み合わせだけでは完結できない作品を作るための考え方を説明していきたいと思います
これを当ブログでは「コアパーツ」とよぶことにします
コアパーツの考えが分かるようになるとキャラクターにポーズをつけたり、装飾品などのディテールを加えたりすることが出来ます

作品によって使い方が変わってくるので一見どこで使用できるか分からないかもしれません
ですが実際の設計の段階で役に立つ考え方なのでぜひ覚えておきたいものです

前回は複数の単純な立体の組み合わせ例として電球を作成しました
当ブログのアイロンビーズ立体講座は箱立体と球立体をベースに作成しているのでぜひとも読んでください

アイロンビーズ立体講座12-アイロンビーズ実践!(6)電球

箱立体と球立体だけでは上手くいかない場面

絵の心得がなくとも単純な図形あるいはその組み合わせとして例えることのできる人工物だけではなく、複雑な造形である生き物であっても箱立体を基本とした多層構造の立体で表すことが出来ます
しかし、場合によっては凹凸の表現が上手くいかず作品が平面的になったり作品内部がアイロンビーズの層でぎっちりと詰まってしまったりすることがあります

そうなってしまう場合に作品の中核部や外側の層にコアパーツを使用することで作品全体の強度や自由度を上げることが出来ます

コアパーツありなしの比較

まず2層の単純な立体でのコアパーツを使用するかしないかでパーツの構成がどう変わるかを見ていきましょう
この例ではどちらのやり方でも組み立ては容易ですが完成時の強度に違いが出てきます

コアパーツを使用しない場合

コアパーツを使用しない場合のパーツ一覧

白いビーズで作成されたパーツが各層のパーツ、黒いビーズで作成されたパーツが層同士を結ぶパーツです
コアパーツの考え方がない場合黒いビーズのパーツは単純な棒のパーツで表すことが出来ます

コアパーツを使用しない場合でも立体自体は成り立ちますが不安定です
画像だけでは分かりにくいですが外側の層がぐらつき、黒いビーズのアイロンのかけ具合によってはパーツ同士がすぐに外れてしまいます

コアパーツを使用した場合

コアパーツを使った場合のパーツ一覧
コアパーツを使った場合のパーツ一覧

白いビーズで作成されたパーツが各層のパーツ、黒いビーズで作成されたパーツが層同士を結ぶパーツです
コアパーツの考えを使うと層同士をつなぐパーツを井の字型の1つパーツで表すことが出来ます

見栄えに違いは出ませんが内側と外側の層の結びつきがより強固になっています
この例では長期的に作品を保管する際に違いが出てきます

コアパーツの使用方法は主に2つ

コアパーツを使用するのは主に2か所です
まず1つ目は作品の中核部、箱立体や球立体部分のさらに内側に全ての層の接続と強度の増加の目的で使います
次の2つ目は箱立体や球立体の骨組みではカバーしにくい作品の外側の層で一部のパーツ同士だけをつなぐ場合です
前者の方がより言葉の意味に近いです

ここではそれぞれの場合でコアパーツをどうしようしていくかをボクセルモデルで見ていきましょう

コアパーツの使い方1:中核部で使用する

コアパーツを作品の内側に使用する場合に作品に対して水平の面で使用するか垂直の面で使用するかということを考えます
これは通常の箱立体や球立体が隣接する面にアプローチしていくのに対して、コアパーツは使う向きの上下左右にアプローチしていくからです
言葉だけでは難しいので実際の例を見てみましょう

水平面で多層的にコアパーツを使う

水平面に複数のコアパーツを使用したときのイメージ
水平面に複数のコアパーツを使用したときのイメージ

1つ目は作品に対して水平の面に対してコアパーツを使用したときのイメージです
コアパーツを水平面に使用したとき、あるコアパーツの面に対して平行に別のコアパーツを容易に使用することが出来ます

鼻や尻尾など層が厚くなる部分にコアパーツを使っていくと効果的です
作品の見栄えなども見ながら球立体で処理するかコアパーツの挿入するか検討してみましょう

垂直面で作品の強度を高めていく

垂直面に作品全体にかかるコアパーツを使用したときのイメージ
垂直面に作品全体にかかるコアパーツを使用したときのイメージ

もう1つは作品に対して垂直な面にコアパーツを用いる場合です
こちらは1つのコアパーツで作品全体の様々な凹凸にアプローチできます
後述する外側の層で部分的に使用するコアパーツの使用も減らすことが出来るので外側の層のパーツが複雑な時に使いやすいです

コアパーツの使い方2:外側の層で使う

こちらは補助としてコアパーツの使用する例です
箱立体や球立体では表現しにくい部分に対して層同士を連結させるときに使用します

内側からT型に差し込む

透明3層パーツの奥2列

この場合で最も分かりやすいパターンです
T字の長い部分のビーズの太さを変えると一気に10層ぐらいのパーツを繋げることが可能になります

層が薄い時に多用できるH型

透明3層パーツの手前から2番目の列

コアパーツを箱立体球立体パーツ内に埋め込みやすく、なおかつ連結強度も高いパターンです
3、4層ぐらいの層の連結で使いやすいです
逆に層が厚くなると組み立て難易度が一気に上がるので注意しましょう

しっかり層同士を結び付けたいときに使うコ型

透明3層パーツの一番手前の列

最後に紹介するのはT字よりしっかりとつなぐことのできるコの字型です
上図では外側の層から内側の層へアプローチしていますが、逆方向への使用も可能です
これも比較的層の浅いときに使います

コアパーツの併用のコツはバランス

より良い立体アイロンビーズを設計するためには基本的な箱立体、球立体とコアパーツのバランスを考えることです
作品の基幹部分を箱立体や球立体の応用で作り、コアパーツで細部を補完していくのが大切です

実は水平もしくは垂直方向に層を重ね、層を結ぶように棒状のパーツを貫通させることで、一応立体アイロンビーズの形をとることは可能です
しかし構成としてとても単調であり、立体アイロンビーズの醍醐味である3次元的に組むということが失われてしまいます

慣れないうちはバランスが偏りがちですが、色々なものを作っていくことでよりきれいな設計が出来るように頑張っていきましょう

お疲れさまでした
次回は中核部のコアパーツを使用した作例としてマンガ肉を作っていきたいと思います

アイロンビーズ立体講座14-アイロンビーズ実践!(7)マンガ肉
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