ドット絵はこんなに広がった!「ドット絵百景」の魅力

2019年の6月に「ピクセル百景」という書籍がグラフィック社から出版されました
ドット絵を描く方々の紹介と作品をまとめた書籍が商業ベースで発売されたのは大変喜ばしいことです

[書籍紹介](敬称略)
「ピクセル百景 現代ピクセルアートの世界」グラフィック社・2019年 
編集:グラフィック社編集部
ISBN:978-4766132724
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素材としてのドット絵から文化としてのドット絵へ

アイロンビーズを通じてドット絵に触れたとき1番の驚きと発見はドット絵の表現が大幅に広がっていたことです
モニター解像度が大きくなったことで高解像度のドット絵が登場したり、24bitフルカラーが一般化したことによってコミックアートのような色遣いが用いられたり、ドット絵エディタやペイントソフトの機能の向上によっての流行を反映した画面作りがなされたり、マシンスペックの向上によってハイクオリティなドット絵アニメーションの作成が可能になったりしています

ピクセル百景の掲載作家の幅を見ても近年のドットの絵の広がりを充分に感じされられます
日本国内の作家だけでなく海外の作家も取り扱っており、作品媒体も多岐に渡っています
かつてのドット絵が持ち合わせていた画素数や色数の制限をデザインとして昇華したもの、映像やイラストレーションなどの技法をドット絵で表現しようと模索したもの、ゲームドット絵の良さを捉えたものなど現代のドット絵―ピクセルアートがこの1冊に詰まっています

多くを語らぬ作家の原点が分かる

ピクセル百景に掲載されている作家のプロフィールとともに、[START]ドット絵とのファーストコンタクトやドット絵での活動のきっかけ、[INPUT]ドット絵作りに影響を受けたもの、[OUTPUT]ドット絵の作品制作にあたって心掛けていることが掲載されています

これらをSNSやインタビュー記事等で積極的に発信している作家もいらっしゃいますが、普段は淡々と作品を公開している作家さんの原点や制作秘話が掲載されている点が、私個人としてはピクセル百景を購入して1番よかったなと思う点です

アイロンビーズをやる人にとってのピクセル百景の利点

アイロンビーズをやる人でドット絵用のエディタやペイントソフト等で作業をしない人ですと、使う図案を見て使用するペグボードの数や完成サイズが結びつかないということが起こりがちです
基本使用する図案がドット絵であれば画素数から使用プレート数とおおよその完成サイズは計算できます

ピクセル百景に掲載されている多くのドット絵には横ドット数×縦ドット数の形で画素数も一緒に掲載されています
この大きさと打ち込みでこの位のサイズ感、画素数になるのかという感覚を身につけると、実際に作品にするときにアイロンビーズを並べている最中にプレートを急遽買い足したりすることがなくなってくるかと思います

紙に印刷されたドット絵は動かない

ピクセル百景唯一の惜しい点はディスプレイから書籍という媒体に変わってしまったが故に動画から静止画にならざるを得ないという点です
掲載されているドット絵の中にはアニメーションが付いているものや、ゲームのプレイ画面や素材として作られたドット絵も少なくありません
私個人の意見として、ドット絵だけでなくアニメーションとして完成度の高い作品も数多くありますので紙に印刷されたドット絵もいいのですがディスプレイに映った元作品も見てほしいところです
気になった作家が見つかりましたらWebサイトやSNSにも足を運んでみてください

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