箱立体から複雑な立体への発展に第一歩となる、面を重ねて複雑な形状を作る方法を説明します
これを理解できるようになるとアイロンビーズで色々なものを作れるようになります
アイロンビーズ立体が複雑になってもやることは基本は変わりありません
前回の記事では箱立体の学習と実践を兼ねて四角いショートケーキの作り方を公開しました
複雑になってもやることは一緒
箱立体からキャラクターやメカなどの立体になっても、設計がデジタルソフトに移っても基本的な手順は変わりません
アイロンビーズ立体に慣れてくると途中の過程を省略することも出来るようになりますが以下の流れに沿って作業していきます
まず正面からみた図、背面からみた図、側面からみた図を作ります
これらの図から各面に割り当てるパーツの数を決めるので大事な作業です
必要に応じて上から見た断面図も作成します
次にパーツの構成を決めます
各面の各層ごとの断面図を作っていくイメージでパーツを作っていきます
パーツの振り分けが終わったら最初に作成した図をもとにデザインを決めます
最後に嚙合わせる部分を調整し、必要に応じてビーズを抜いていきます
パーツを作っては組み合わせ、他のパーツとの辻褄を合わせて一つの作品を作り上げます
半円に近いパーツで実際の作業を見てみましょう
初めから噛み合わせを考えない
最初のうちからいろいろ考えるとぐちゃぐちゃになって制作が思うように進みません
まずはディテールを詰めていきましょう
外側の面は内側の面から貫通させてビーズ数を減らす
アイロンビーズ立体は断面積が小さくなる外側から設計していくのが基本です
外側の層は貫通する組み方でアプローチします
何故なら1番内側の層からから他の面と噛み合わせると、パーツ数が多くなって組み立て作業そのものが難しくなる上に作品の内側までギチギチになって重くなってしまうからです
内側の層は他の面と組ませてると丈夫になる
内側は噛み合わせる方法を使います
噛み合わせを主とすることで同じパーツ構成でもより作品が丈夫になります
全ての層を貫通するやり方で行うとアイロンビーズの層が増えるにつれて貫通の基本となるパーツが組み立て作業の途中で破損する可能性が高くなります
また作品が大きくなるにしたがってパーツごとの逸れが目立つようになり、見た目が悪くなる原因にもなってしまいます
半円に近いパーツの例では中間の層が外側の層と内側の層を兼ねており、パーツ層の中継地点となっています
ビーズを抜くことによる思わぬ効果
最後に外側のパーツと重なっているビーズを抜いていきます
ビーズを抜くことによって「使うビーズを節約できる」「作品が軽くなる」「ビーズが数えやすくなる」という利点があります
慣れないうちはこの作業は難しいのでこういう工程もあるんだということを頭の隅に置いといてください
最適な組み立て順序は慣れて覚えるしかない
ここでいう最適な組み立て順序はより力の負荷を掛けずに要領よく見立てられるかということです
作品全体の構成によっては単純に内側から組み立てていくのが正解でない場合もあります
こればかりは沢山制作したり、他の方の図案を実際に組み立てたりして経験を積む他ありません
今回の記事で使った半円に近いパーツも例に漏れず内側の層から愚直に組み合わせるより良い順序があります
外側の層の組み立て
貫通させる組み方で構成した外側のパーツだけを組み立てます
内側の層の組み立て
1番内側の層に他の面との噛み合わせパーツをはめ込んだ後に外側の層をはめ込みます
最後に外側の層と内側の層を組み合わせて完成です
単調な構成でいいならキャラクターも作れるようになる
このシリーズも第6回目となりましたが、第3回の「基本となる3つの組み方」第4回の「箱立体を作れるようになろう」と合わせて読めば、層を重ねるだけの単調な構成ならキャラクターなども作れるようにはなります
個人的には1つ1つのビーズから自分で組み立て用の基礎パーツを作り、四角プレートを基本とする場合6つの面から三次元的にアプローチしていくという過程が アイロンビーズ立体の醍醐味だと思います
そんな訳でこのシリーズはまだまだ続きます
次回は6つの面のうち1つの面だけが多層構造の食パンの作例です